韓国のドラマがちょっとしたブームのようですが、私もよく観る1人です。
その中で
は、好きな番組の1つ。
これまで2回観ましたが、この番組で「『親なき後』を見すえた終活」について学ぶことがありました。
ドラマの主人公は自閉症スペクトラムを持つ青年。名前をグルと言います。
「母」は幼い時に亡くなり「父」がグルを育ててきたけれど、その「父」も突然亡くなってしまうという設定です。
このドラマで学んだ、親なき後の終活の3つのポイントを御紹介します。
Table of Contents
【ポイント1】 財産
亡くなった「父」は、自分の死を予想していたのだろうと思います。
だからグルのために様々なものを遺しています。おそらくは意図的に、注意深く。
財産はその1つ。後で紹介する2つのポイントも財産にあたりますが、ここでは経済的な価値のある財産に絞ります。
まず、「父」は安心して住める家を遺しました。
そして「父」は遺品整理の事業をグルと一緒に行っていました。
ドラマでは明確にはなっていないと思うのですが、おそらくその他にも預金等の財産もあったであろうと思われます。
ただ、ここまでできたのは、ドラマだからかもしれません。
でも、一般的なサラリーマンの家庭であっても、長期的な展望に立って財産を遺す方法はあると思います。
例えば生命保険信託の利用もその1つです。
【ポイント2】 人のつながり
「父」がグルに遺した最も重要なものは、「人とのつながり」だと私は思います。
まず「父」の死後、グルが初対面する叔父。この叔父はグルの後見人候補者として生活を共にします。いろいろ訳アリの人ではありましたが・・・。そして後見人候補者として指名したのが「父」でした。
「父」は弁護士にも依頼しています。この弁護士は後見人候補者を監督する役割ですが、「父」の生前からグルとも信頼関係を築いていたことが感じられます。
「父」の仕事仲間である廃品回収業の男性も、いい感じでグルと叔父をアシストしています。
グルの友達であり、通りを挟んだ家に住んでいる女の子も重要な役割を果たしています。もっともこの女の子については、「『父』が遺した」とは言えないかもしれません。でも、「女の子との関りを見守っていただろう」という見方をすれば、「父」の気持ちをくみ取れるかと思います。
こうして父が築いたグルを取り囲む人間関係は、グルが「父」を喪失したことの悲しみを克服するだけでなく、これからの生活を継続していくために必要不可欠なものになります。
親が築いた人間関係の中に子供を取り込んでいくことで、親亡き後の生活を支える強力な基盤になる。
私がこのドラマで最も深く学んだことでした。
【ポイント3】 スキル
グルと「父」は遺品整理の仕事を、一緒に行っていました。
ですから「父」が亡くなった後もグルは遺品整理で収入を得、社会の中で生きていくことができます。
遺品整理という仕事は、グルにとって生活の糧を得る手段に留まらず、自信の源にもなっていることでしょう。この自信は、他者との関係を築き保つための礎にもなります。
またグルは、自分で料理をすることもできます。
料理だけでなく、生活をするためのスキルを持つことは自立するための基盤です。グルは片づけもできます。
こうしたスキルがあったからこそ、訳アリの叔父との生活を営むことができたのでしょう。
「父」は、これらのスキルをグルに詰め込んだのではありません。
親が子供の特性に合わせて、静かに、ていねいに、時間をかけて教えてきたのです。
もちろん、現実にはこの「父」のように子供に教えるなんてことは至難の業です。時には怒鳴ることも、ケンカすることも、泣いてしまうこともあるはずです。
でも、結局は子供の特性に合わせて教えなければ、スキルは身に付かないのではないでしょうか?
だからこそ、親は、親を支える人間関係が大切なのです。
親と子との両方に長期間関わり続けられる人とのつながりが、その家族を支えてくれるはずです。
人とのつながりを築き保つスキルを、まず親が身につける。
「父」をみて、そのように感じた次第です。