最新の津波浸水ハザードマップを見ましたか?~主として東北

先日、何気なく河北新報オンラインニュースにある

東北の津波浸水想定マップ

というバナーをクリックして、宮城県の津波浸水想定を見てみました。

東日本大震災で「ここまで津波が来るのか!」と驚いた経験があるはずなのに、このマップではさらに驚きの想定が示されていました。

特に、つい先日通った国道。海岸や川から離れていると思っていたのですが、そこも浸水の予想がされていて・・・。

御覧になる時には、自分の住まいや職場だけではなく、少なくとも「よく行く場所」や「よく通る道」も確認した方が良いでしょう。

また、「どのような地震が起きた時の津波予想なのか?」という点も、できれば御確認を!

河北新報社のマップでは前提となる地震情報は読めませんでした。そのため、宮城県の場合ならこのマップの情報元である宮城県のサイトを確認する必要があります。

津波浸水想定に係るシェープデータ公開について – 宮城県公式ウェブサイト (pref.miyagi.jp)

ついでに、津波だけでなく大雨の時の洪水・浸水のハザードマップの御確認を!宮城県ならこちらを!

洪水ハザードマップを紹介しています – 宮城県公式ウェブサイト (pref.miyagi.jp)

土砂災害については、宮城県の方はこちらから!

土砂災害特別警戒区域の確認方法について – 宮城県公式ウェブサイト (pref.miyagi.jp)

なお、国土交通省の

ハザードマップポータルサイト

を使うと、日本各地のハザードマップを確認できます!

防災としての臨時休業の判断~台風が去って

皆さんの地域では、台風8号の影響はいかがだったでしょうか?

私の住む仙台は大きな被害もなく、近くを流れる梅田川の水量も昨日の午後の時点では普段よりやや多いくらいでした。

26日朝の天気予報を見て、当事務所は27日を臨時休業にしておりました。

結果的には、思いっきり「空振り」だったと言えます。

では、臨時休業にする決断が早すぎたのか?

いつ決断すればよかったのか?

これは、とても迷うところですね。

私のように個人で仕事をしていても、会社のように組織で仕事をしている場合であっても、どちらも「防災のための臨時休業」等の決断のタイミングは迷いがあって当然だと思います。

でも迷っている時間を短くするために、何度も繰り返し「判断するための優先順位」を確認しておいた方が良いと、私は思います。

つまり、事業であれば

  • 利益
  • 事業の継続
  • 顧客の安全
  • 従業員等の安全
  • 施設・設備の維持
  • その他

などのうち、何を優先して判断するのか、経営者は折にふれて自らを振り返り、また従業員にも伝えておいた方がよいでしょう。

ペットと避難している人たちのイラスト

私の場合

私の場合は「安全」が最優先です。

27日は宮城県の北部に出かける予定がありました。

私が早めに決断し相手先に連絡すれば、相手先としては、少なくとも私のことを気にすることはなくなります。

また、私が訪問を取りやめる決断を相手先に伝えることは、相手先自身の判断にも影響を与える可能性があります。もしかすると、相手先も、私が台風接近を理由に訪問を取りやめたことによって、早めに業務を休止し帰宅するという判断につながるかもしれません。

言ってみれば、防災研究者の片田敏孝先生がおっしゃる「率先避難者」の役割を、私が担うということです。

また、28日午後は個人事業主の事業所を訪問する予定が入っておりました。

予報からすると28日の朝には台風が去っているはずでしたが、何があるかわからないのが気象災害です。

念のため26日午前中に個人事業主に電話をし、28日の動きについて打合せしておきました。「28日の状況によっては訪問を延期する」ことも、この電話で確認しております。

私の場合は、まだ零細事業者なので予定の変更は容易なのだと自覚しております。

いくつもの商談を予定されているような事業者の場合には、臨時休業はできれば避けたい決定になるかもしれません。

だからこそ、判断するための優先順位は何なのか、経営者は自分の心に刷り込むように何度も確認すべきなのです。

また、自然災害が現実化しようとしている時にぶれないように、従業員にも周知しておくべきです。

もしかすると、従業員の方で「台風発生」の予報後に、臨時休業の決断が出ても困らないように準備しておくようになるかもしれません。

従業員が率先して準備ができる事業者は、災害発生時にも強いと私は信じていますし、

そのような強い企業にする手法がBCPだと私は思います。

※BCP=事業継続計画

結果的に 

台風8号が過ぎてみれば、27日は時おり強く雨が降り、風もあったけど、災害をもたらすほどではありませんでした。

結果的には、臨時休業の必要はなかった、と言えます。

県北部への訪問を取りやめたとしても、事務所で他の仕事をすることはできたと思います。

では、臨時休業の判断は誤りだったのか?

私は、そうではないと思いたい。気象の変化は正確には読み切れないからです。

だから、将来、同じような状況が起きた時も、やはり臨時休業の判断をすると思います。

※絵は「いらすとや」より

片田敏孝 先生

現在、東京大学の特任教授

東日本大震災で「釜石の奇跡」と言われた釜石市の小中学生の避難行動。片田先生は、その釜石市で防災教育に関わってこられた先生です。

片田先生の著書の多くに(例えば「人が死なない防災(集英社新書)」)

避難の三原則

が書かれています。

  1. 想定にとらわれるな
  2. 最善を尽くせ
  3. 率先避難者であれ

自然災害だけでなく、火災も含めた全ての災害から身を守るための必須の原則だと、私は思います。

台風8号接近

7月26日(月)の午前中の様子からは、想像しにくいことですが、

テレビの天気予報でも御覧になったかと思いますが、

明日の宮城県は台風8号が接近又は通過する見通しです。

JR東日本のHPでは、明日の昼以降には宮城県の仙台から南の地域で運休の可能性があることを伝えております。

東北エリアの運行情報・運休情報:JR東日本 (jreast.co.jp)

今朝の天気予報によれば、台風の中心から北側の雨量が多くなるかもしれないそうです。大雨関係の警報が出る可能性も高そうです。

気象庁 | 仙台市東部の防災情報 (jma.go.jp)

というわけで、安全のために明日、当事務所は休業します。

と言っても、自宅で勉強などをするのですが・・・。

皆さんもくれぐれも、安全策をお取りください。

嫌な雨です

雪で転ぶ人のイラスト(女性)

今日のTwitterのトレンドに「恵みの雨」というのが入っていました。

「地域によって、人によって、物事の受け止め方は様々なんだなぁ」と改めて思うトレンド入りです。

今日の雨は、東北の人にとっては

「嫌な雨」あるいは「警戒すべき雨」

なのではないでしょうか?

まず、昨日の地震との関係。

ニュースや天気予報でも触れておられますが、地震によって地面に細かな亀裂があったり地盤が緩んだりしたところに雨が降れば、土砂災害への危険が増します。

雨が降っている時に土砂災害が無かったとしても、当面は安心できません。

この1週間は余震が起こるかもしれません。

雨で土の中の水分量が増えた所に地震が発生すれば、土砂災害が起きる可能性もあるからです。

屋根に被害を受けた所では雨漏りの心配もあります。

屋根の被害が見た目で確認できているなら、昨日の内にブルーシートを張るなどの対策をした方もいるかと思いますが、

目で確認できないことや、対策が間に合わないこともありえます。

念のため、雨漏りの有無には注意を払った方が良いと思います。

ちなみに、昨年まで住んでいた貸家は、震災の影響か老朽化か、それともその両方が原因なのかわかりませんが、雨漏りの対策が欠かせませんでした。

震災後、10年近く経っても屋根板金等の職人さんは、大変忙しいとのことでしたよ。

地震の揺れが小さかったとしても、この雨は嫌な雨です。

明日以降、最低気温が氷点下に下がるところが出てきます。

山間部などは今日の雨で雪が融け、その後、氷点下に下がることで

路面の凍結の恐れが出てきます。

そして、日本海側では降雪の予報。

屋根からの落雪や、山間部での雪崩などへの注意した方が良いかもしれません。

というわけで、今日の雨は、私としては嫌な雨です。

地震の防災~家具などの固定

2月13日夜の地震。福島や宮城を始めとする皆様には、被害の方はいかがでしたでしょうか?

私の住まいでも、強く、長く揺れたので驚きました。

翌日、事務所の様子を見に来たのですが、近くのビルの外壁のタイルが一部落ちていたり、エレベーターが止まっていたりしておりました。

気象庁の記録を見ると、仙台駅周辺でも震度5弱から5強くらいの揺れがあったようです。

私の事務所の様子はというと、地震の痕跡はほとんどありませんでした。

本が散乱している様を想像して来たのですが、棚の中で本が倒れている程度です。

ちなみに、この本棚は床との間には段ボールや新聞を折りたたんだものを挟み込んでおります。狙いは、ほんの少しだけ本棚を壁に押し付けたかったから。

また、本棚の上は、突っ張り棒ではなく、下の写真のような耐震ストッパーをつけています。

ホームセンターで買った時、この耐震ストッパーのパッケージには「震度7まで対応」と書かれておりました。

壁や本棚にはゲルのようなもので接着しているだけなので、正直、パッケージのうたい文句には半信半疑でありました。

でも今回の地震で、震度5弱から5強程度なら、効果はあるかもしれないと見直しました。

上の写真の突っ張り棒タイプのキャビネットは、びくともしなかったようです。

書類などを入れるキャビネットは、上下に分離するタイプのものですが、上の棚が落ちないように、写真の赤枠内のようなシールタイプのもので補強してます。

地震後、事務所のドアを開けるまで、一番心配したのがパソコン用のディスプレイが机から落ちて破損しているのではないかということでした。

一応の対策は取っていたのですが、取説のような使い方が出来ていなかったからです。

上のように、テレビ用のストッパーをつけた上で、足の下に耐震ゲルを敷いておきました。

本来、ストッパーは、先っぽの丸い部分で足を押さえるようにして使う者らしいのですが、このような使い方でもなんとかなりました。

耐震ゲルとしては、例えば下の写真のようなものです。

色は黒だったり透明だったりします。

複合機の下にも耐震ゲルを4隅に敷いてます(その内1か所が、下の写真の赤丸のところ)。

事務所では使っていませんが、百均で売られている滑り止めシートも有効でした。

防災士の私より防災への意識の高い妻が、家の様々な所に使っています。

家の物置部屋は、物が落ちたりしましたが、滑り止めシートを使用したところは何事もありませんでした。

今後、1週間程度は大きな余震に注意と言われておりますし、宮城県沖地震の30年以内の発生確率が90%となっておりますので、地震への備えを見直す際への参考情報として御利用いただければ幸いです。

【防災士にお勧め】家庭備蓄ポータル~農水省

防災グッズを確認する家族のイラスト

災害に備えて、食品や飲み水を備えておく。

その方法としてローリングストックが有効である。

・・・・・・・

そういう情報は、既にテレビや新聞、インターネットなどの様々なメディアで取り上げられているので、ここで触れることも「今さら」感が強いのですが。

でも、例えば「赤ちゃんがいる家庭」のように「赤ちゃんがいる時期」のタイミングで必要な情報が入手できなかったりします。

赤ちゃんに限らず、要配慮者の防災に対しては、わからないことも多いのではないでしょうか?(もしかして、私だけ?)

防災に対する知識豊富なはずの防災士と言えども、意識できていないリスクはあるものです。で、意識できていなければ、防災の死角になるのです。

ということで、農林水産省が、食品や飲み水の備蓄についてまとめているWebサイトを見つけたので、下にリンクをはります。

ここには、様々なパンフレットがある他、防災セミナーで利用できるパワーポイントの資料などもあるので、防災士にはお勧めです。

それと、要配慮者の御家族も御覧になられると、参考になる情報が得られるかもしれません。

要配慮者

要配慮者のための災害時に備えた食品ストックガイド(平成31年3月)での「要配慮者」は、次の方々を指しています。

  • 乳幼児
  • 高齢者
  • 食べる機能(かむこと・飲み込むこと)が弱くなった方
  • 慢性疾患の方
  • 食物アレルギーの方

リンク

農林水産省 家庭備蓄ポータル

緊急時に備えた家庭用食料品備蓄ガイド

※この「緊急時に備えた糧用食料品備蓄ガイド」からダウンロードできるパンフレットは、下の「災害時に備えた食品ストックガイド」に更新されたようですが、このページにあるExcelファイルの「チェックリスト」は、防災セミナーで使用できると思います。

このチェックリストは各家庭で定期的に使用するのが理想ではありますが、そこまでできるのは、よほど意識の高い方かと。でも、セミナーのような場であれば、「自分の家での状況を振り返る」という目的では便利だと思います。

農林水産省作成のパンフレット 

災害時に備えた食品ストックガイド(平成31年3月)

要配慮者のための災害時に備えた食品ストックガイド(平成31年3月)

事務所の防災グッズ⑤

写真①

アルミブランケットは、災害時やアウトドアで、体温の低下を防ぐためのグッズです。

ホームセンター等でも安く売られているので、持っておられる方も多いことでしょう。

機能としては、外気を遮断しブランケットの内側を体温程度に温めるものです。

私は事務所に常備しておりますが、使い方としては上記の写真①のように体をくるんだり、

下の写真②のように、寝袋や毛布が無い場合に使うことも考えられます。

写真②

事務所で寝る場合、適切なマットやソファが無いときは椅子を並べて眠た方が、床に直に寝るより冷たくなくて良いかと思います。

写真②はブランケットを上から掛けただけですが、下の写真③のように体をくるんだ方が、少しだけ温かさが増すようです。

私の事務所にあるのは金色ですが、シルバーのものもあります。

畳んだ時のサイズは横が約10㎝、縦が約13㎝ですので、カバンに入れて持ち運びもできます。

リスクの分析

農業のGAPでは「リスクの洗い出し=リスク分析」が重要な作業の1つですが、これは、他の分野にもあてはまりますよね。

例えば、地域の防災活動としての危険個所の割り出し。

食品関係でのHACCPや、広く一般企業におけるBCPを含めたリスクマネジメント。

重要なんだけど、難しい。

この点について、下記のページに簡単に触れてみました。

リスク分析~GAP

特養などの高齢者施設の防災

この2020年7月の大雨によって、お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りいたします。また、安否がわからない方の御家族の御心痛はいかばかりかと存じます。

この大雨でも多くの方が被災されました。

中でも、私の心にひっかかるものが、熊本の特別養護老人ホーム「千寿園」のことです。

気象庁も予想しきれなかったほどの雨量と、急激な増水であったので、非常に残念だけれども、この結果を防ぐことは難しかっただろうと思います。

ですが、今後の防災の面からは、今回の件から何かを学び考え、改善を果たしていかなければならないのも確かです。

ここでは、2020年7月6日の朝日新聞の記事やNHKのニュース報道を基にした、現時点での私の感想も含めた簡単な私見を書き留めておきます。

1 高齢者施設等について

高齢者施設の中でも、特に特養についてです。

千寿園もそうでしたが、多くの特養は川の側だったり、崖や山裾が迫っている所だったり、周囲が田畑だったりといった、郊外の少し不便なところにあったりします。

つまり、そもそも災害に遭うリスクの高い所にある施設が多いのではないでしょうか。

また、御家族の介護の経験をされている方は御存知だと思いますが、入居するのは順番を待たなければなりません。

つまり、常に部屋やベッドに空きがない。

一方で、介護にあたる人材は不足しており、各施設はあの手この手で人材を確保しようと必死です。

これらすべてのことが、平時に防災の計画・準備・訓練に影響してくると思います。

7月8日にNHK仙台放送局が報じたニュースでは、宮城県内の福祉施設や病院に作成が義務付けられている避難計画を、4割近くの施設で作成していないことが明らかにされました。

2 災害時の高齢者施設の課題

課題1

まず、車椅子などを利用しての移動になると思われるので、介助する人が必要です。

避難が必要な高齢者をすべて安全な場所に移動するのに、何人の介助者が必要なのでしょうか?

課題2

千寿園が被災した時、地域住民が駆けつけて高齢者の避難や救助を手伝ったと報じられています。

これは、地域住民と千寿園との日頃の結びつきの良さを示していると思いますし、また、住民の皆さんの行動に頭が下がる思いです。

一方で、救助に向かわれた地域の方々は危険にさらされた、ということにもなります。

これまでの多くの災害でも、消防署員や警察官だけでなく、民生委員や町内会等の役員、消防団員といった方だけではなく、近所の高齢者を気遣って声をかけにいった人たちが命を落としたりしています。

温かな気持ちを、より安全な方法で行動化できないものでしょうか?

課題3

垂直避難は、同じ建物(あるいは通路などでつながっている別棟)の空きスペース、または避難者のために臨時に確保されたスペースへの避難になります。

千寿園の場合、1階は水没だったようです。映像では建物は2階まであったようですけど、2階部分はそれほど広くは見えませんでした。

高齢者や障がい者の施設の場合、建物は何階まであって、上の階に空きスペースがどのくらいあるのか?という問題もあると思うのです。

課題4

垂直避難の場合は、エレベーターを使用することになると思うので、時間がかかることは想像できます。

避難に必要な時間は?

課題5

災害からの避難は、一日二日我慢すれば元に戻れるということにならないかもしれません。

一方、入所している高齢者は、持病があったり、オムツ等の介護用品が必要だったりします。

避難する場所に、それらを備蓄しておく場所はあるのか?補給がされやすい場所でしょうか?

課題6

多くの高齢者施設は、地域の福祉避難所に指定されていると思います。

福祉避難所は、病気や障がい、乳幼児などの特別な配慮が必要な方(要配慮者と言われます)とその同伴者が、支援を受けながら避難できる場所です。

想定されている利用方法としては、地域の指定避難所に避難してきた方の中に、要配慮者がいる場合に、市町村の判断で福祉避難所を設けることを、施設に要請するとあります。

3 思いつきで恐縮です

上に書いたような、私の問題意識をもとに、思い付きの案を書いてみます。

「いや、それは無理だよ」と現場の方、行政の担当者に一蹴されたり、

逆に、「もうやってるよ」、「それは検討してみたけど、ダメだった」もあるかもしれません。

とりあえず、検討材料の1つとして一瞥して頂けたら幸いです。

① 避難支援パートナー・ボランティアを登録制として利用できないか?

災害が起きそうな時に他所に避難するにしろ、垂直避難を選択するにしろ、移動を介助する人が必要なことに変わりはありません。

職員を総動員するという手もありますが、これが適切なのかどうか、私には疑問です。なぜなら、

  • 職員も被災者になる可能性が高いことから、家族や自宅への対応も必要になる。
  • 復旧まで長期戦を覚悟しなければならず、職員の休養も必要である。

一方で、職員以外に手伝っていただく場合、職員並みのものではなくても、多少の介助の知識・技術が必要になると思います。

だから、緊急時に支援可能な方々に、事前に登録していただき、年に1回でも2回でも、移動等の練習をしていただいたらいかがでしょうか?

お気持ちのある方がたであれば、どなたでもかまわないと思いますが、例えば、次のような方に登録して頂けたらいかがでしょう?

  • 自宅で高齢者等を介護している方
  • 医療系あるいは福祉系の学生
  • 元医療または福祉関係施設の職員

これらの方々の中で、1晩だけ宿直につきあっていただく。

自宅で高齢者等を介護している方の場合、その介護されている高齢者等も御一緒に施設で過ごしてもらう。つまり、その高齢者の事前避難も兼ねるということ。

② 民間宿泊施設を福祉避難所として利用できないか?

この点については、既に旅館等と事前協定を結んでいる自治体もあります。

また、実績もあるようです。

たとえば、2020年7月9日にNHK長野放送局が伝えたところでは、重度障碍者施設「阿智温泉療護園」が、すぐ目の前にある旅館に避難させてもらっています。

ただ民間施設を福祉避難所とする場合、この施設に保健師等の自治体の専門職員を派遣すべきです。

また、医療や介護に必要な機器や薬などを持ち込む必要があります。

福祉施設が避難所として利用するのであれば、機器等の持ち込みは問題ないと思いますが、福祉施設の利用が前提でない場合には、検討課題になります。

逆にこの利点は、普段、在宅で療養生活を送っている方がたの場合、事前避難がしやすいのでは、と考えます(あらかじめ市区町村が指定していることと、事前避難を了承していればですが)。

③ 特養の敷地内の駐車場などを、避難タワーのような機能の建物にできないか?

東日本大震災の後、津波からの避難のための建物が各地に建設されています。

避難目的に特化したものもあれば、1階は津波に襲われても、2階以上に避難できるように建替えた学校等もあります。

特養や障がい者施設を、災害リスクの少ない場所に建設することは難しいと思います。

また、現在ある場所に、災害に対応できる建物に建て替えるのも予算的に厳しいところもあるかと思います。

もし、敷地に青空駐車場のような空間があるならば、そこの一部を避難タワーのようなものにしてしまう、というアイディアです。

避難スペースとして利用する2階以上の部分は、普段は、利用者の運動場とか、会議室だとか、とにかく居住以外の目的に利用する。災害の危険が予想される時に、入居者や近隣の要配慮者の避難スペースとして使えればよい。

既存の建物とは、渡り廊下やスロープなどでつなぎ、極力、エレベーターのように電力で動かす機器には頼らないという考慮も必要かもしれません。

4 最後に

以上、まだ情報が不確かな内に、ほぼ思い付きで書きました。

おそらくは、今、進行中の状況が一段落したら専門家による詳細な分析報告があるかと思います。

ただ一言申し上げれば、毎年のように「これまで経験しなかったような雨」とかによる災害が起きている中、専門家の意見を踏まえた上で、それぞれの地域や職場で、より想像力を高めて準備・訓練していかなければならないと思います。

この記事が、みなさんの想像力の喚起につながりますように。

普段、御自宅で生活されておられる方の、防災についても気がかりなところです。

その点については、また改めて。