令和7年5月26日に改正された戸籍法が施行されます。
既に、このサイトでも「戸籍にフリガナがつく」改正ポイントについて紹介しておりますが、今回は、改めて出生届に子の氏名とフリガナをつけるさいのルールについて御紹介します。
なお、このサイトの戸籍のフリガナ関連の記事は、以下を御覧ください。
戸籍に記されている氏名に「フリガナ」が記載されます。 | 澤田行政書士事務所 (022-796-5845)
出生届の氏名のフリガナには、どのような決りがある? | 澤田行政書士事務所 (022-796-5845)
Table of Contents
1 子どもの名前に使える漢字
出生届には子供の名前を書きますが、使用できる漢字について法務省が定めていて、下のサイトで確認できます。
なお、氏に使われる漢字には旧字体がそのまま使われていることが多いです。私の氏の澤田の澤もそうです。
こうした旧字体を現在の文字に変える場合には、市区町村の戸籍担当の窓口に御相談ください。
2 子どもの名前のフリガナ
子どもの名前のフリガナにも一定のルールがあります。
フリガナに使える文字
令和7年5月26日施行の戸籍法施行規則の別表2にある文字と記号だけが、フリガナに使用できる文字です。
簡単に言えば、一般的に使用されるカタカナ と 長音を表す記号「-」だけです。
フリガナをつける時のルール
戸籍法(令和7年5月26日施行)の第13条の第2項に、フリガナをつける時のルールとして
「氏名として用いられる文字の読み方として一般に認められているもの」
と規定されています。
「一般的に認められているもの」とは何か?
これの基準は法務省の「戸籍にフリガナが記載されます」というサイトの「よくあるご質問」の「Q10 届出することができないフリガナはありますか?」への回答に、次の4つの項目が書かれています。
認められない基準例 | 左の基準の具体例 |
---|---|
漢字の意味や読み方との関連性をおよそ又は全く認めることができない読み方 | 太郎をジョージ、マイケル |
漢字に対応するものに加え、これと明らかに異なる別の単語を付加し、漢字との関連性をおよそ又は全く認めることができない読み方を含む読み方 | 健をケンイチロウ、ケンサマ |
漢字の持つ意味とは反対の意味による読み方であったり | 高をヒクシ |
漢字の持つ意味や読み方からすると、別人と誤解されたり読み違い(書き違い)と誤解されたりする読み方 | 太郎をジロウ |
上の4つに当てはまらないフリガナでも、「社会を混乱させるものや、差別的・卑わい・反社会的な読み方など、社会通念上相当とはいえないものは認められないものと考えられます」と回答に書かれていることに注意しましょう。
こんな時は...
いわゆる「キラキラネーム」のように、既に使用されているフリガナであっても、市区町村の戸籍担当者にとって、それが「一般に認められているもの」と言えるか判断できないことが出てくると思います。
その時には、出生届に、そのフリガナが「一般に認められていることの説明」の記載を求められるかもしれません。
また、その根拠として、新聞や雑誌、辞典、書籍等のコピーの提出を求められると思います。
戸籍法施行規則(令和7年5月26日施行)の第30条の3
「窓口の人はこの名前、読めるかな?」と心配な時には、あらかじめ新聞や雑誌などのコピーを準備して、正式に出生届を出す前に(出産前に名前を考える段階などで)、市区町村の担当窓口で相談しておくと良いかもしれません。
※なお、施行規則には「一般に頒布されている刊行物の記載を引用するなど」と書いてありますが、インターネットでの新聞や雑誌のサイトで信頼性が高く、閲覧数が多いもののコピーも可能かもしれません。この場合には、画面印刷時にヘッダー・フッターも印刷しURLが記載されていた方が良いかと思います。