昨年の11月あたりから、戸籍の収集の御依頼が何件かありました。
相続手続として戸籍を収集する目的は、「相続人を確定する」ことにあります。
そのために、まず亡くなった方の「出生から死亡までの一連の戸籍」が必要になりますが、場合によっては、それだけに止まりません。例えば、その方に子供がおらず、御両親のどちらかに再婚歴があるような場合には、異父母兄弟姉妹の存在まで確かめることがあります。
そのため、手始めに取り寄せた戸籍から順に、きちんと読み込んでいくのです。
そうして何件もの戸籍収集で読み込んだ戸籍の数は、結構な数になります。
また、「戸主が江戸時代生まれ」のような戸籍を取り寄せることになると、そこまでの間に様々な形式の戸籍にも触れることにもなります。
ファミリーヒストリーとしての戸籍
NHKに「ファミリーヒストリー」という番組があります。
主として芸能人をゲストとして、その方のルーツを遡り紹介する内容です。
戦争中に祖父母が中国や朝鮮半島に渡って商売をしていたり、ゲストが知らなかった両親祖父母、あるいはそれ以前の祖先がどのような人たちであったかがわかり、面白く見ていたことがありました。
集められた何通もの戸籍を読んでいると、ファミリーヒストリーを見ている時と同じような感覚になることがあります。
もちろん、テレビ番組のように両親祖父母等の歴史が詳細に分かるわけではありません。
でも、お母様が何人かの配偶者と死別や離別を経験していたり、養子縁組が頻繁に行われていたり、その時代背景と共に推測すると、その折々に真剣に生きていた人々の姿が浮かんでくるように思われるのです。
相続手続以外を目的とする戸籍収集
ある相続以外の手続の御相談に来られた方は、御自身で家系図を作っておられました。
その図は御依頼の手続をする際に、大変に役にたったのですが、こうした実務的な効果の有無とは別に「家系図を作りたい」という希望を持つ方が、思いのほかいらっしゃるようです。
その時に役に立つ、というより基礎資料になるのが戸籍でしょう。戸籍以外ではお墓も資料になると思います。
ただ、家系図作成を目的として戸籍を収集する場合、集められる範囲が限定される点には御注意ください。