最近は、アウトドアとかキャンプがブームだそうで、森林を買って自分専用のキャンプ地として利用している方もいるそうですね。
御自身が求めて土地を購入する場合には、関連する法令等を調査するでしょうし、仲介会社等が必要な届出や法規制について説明するでしょう。
ただ、相続の場合には、相続する人が森林とか土地に興味が無い場合でも、その土地の所有者にならざるを得ません。だから、うっかりすると届出を忘れてしまう可能性があるので注意が必要です。
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森林を、新たに所有することになった時に、真っ先にすること
相続であれ、購入であれ、森林の所有者になったら、まず
その土地が地域森林計画の対象になっている民有林かどうかを確認しましょう。
これについては、都道府県か市町村の役場で確認します。Webサイトで確認できるところもあります。
例えば宮城県なら
地域森林計画 – 宮城県公式ウェブサイト (pref.miyagi.jp) か 宮城県森林情報提供システム (fgis-pref-miyagi.jp)
地域森林計画の対象になっている民有林でないならば、以下に紹介する手続は不要です。
この確認が必要かどうかについて、注意していただきたいことがあります。
それは登記簿謄本上の地目が山林とか保安林になっていなかったとしても、地域森林計画の対象になっている可能性があるということです。対象に入っていれば、以下の届出が必要になると思われます。
※相続では不要ですが、売買で新たな所有者になる場合は土地の場所と広さによっては国土利用計画法上の届出が必要になることもあります。
地域森林計画の対象になっている民有林だったら・・・
市町村に、「森林の土地の所有者届出書」を提出します。
この様式は、市町村役場の窓口にお尋ねになってください。
仙台市の場合はこちらからダウンロードできます。 ⇒ 森林の土地の所有者届出制度について (森林法第10条の7の2)|仙台市 (city.sendai.jp)
ちなみに、仙台市のHPからダウンロードできる様式は、林野庁が公開しているものと同じです。
林野庁についてはこちら ⇒ 森林の土地の所有者届出制度:林野庁 (maff.go.jp)
届出には、以下の書類も添付します。
① 土地の位置を示す地図
例えば、法務局で取得できる備え付けの地図、公図、地積測量図、土地所在図
その他にインターネットで取得できる国土地理院の地図などが考えられます。
② 登記事項証明書
法務局で入手します。
③ 土地を所有することになった理由がわかる書類
遺言書や遺産分割協議書。売買なら売買契約書がこれに該当します。
ただし、場合によっては市町村の担当者から追加資料の提出を求められることがあります。
届出の期限
新所有者になった日から90日以内に届け出なければなりません。
ここで注意していただきたいのは
相続の場合は、相続の日から90日以内
であることです。
たとえ遺産分割が終了していなくても、亡くなった日から90日以内に届け出る必要があります。
遺産分割を終えていない場合には、相続人全員が共同して届け出ます。
届出によって所有者が誰になるかが確定するわけではありません。したがって、遺産分割協議が長引きそうな時には一旦、この届出をしてしまった方が良いと思います。
遺言書で森林の所有者が指名されていたり、遺産分割協議書で決まったら、その方だけの届出になります。
なお、相続土地国庫帰属制度の利用を検討する場合には、あらかじめ市町村の窓口に相談された方が良いでしょう。
届出をしなかったら・・・
届出をしなかった場合、10万円以下の過料になります。