数年前は、年に数回、泉ヶ岳や七ツ森に出かけて山歩きを楽しんでおりました。最近はタイミングがあわなくて少し遠のいているのが残念ですけど。
山歩きで私が楽しいと思ったのは、行くたびに植物が変化していることでした。芽吹いていたり、花が咲いたり紅葉していたり。
御存知の通り、植物はその種類ごとに好む環境が異なります。
日光を好む植物もあれば、日影がいいものもある。池や川の近くのように水際に育つものもあれば、乾燥に強いものもある。
先日、ブラタモリで阿蘇を取り上げていました。阿蘇の外輪山では、毎年、野焼きをして、樹木が育たないようにしているそうです。そうして育った植物を伐採し、田畑に撒いているのだとか。
秋吉台のススキも有名ですが、ススキ野原を放置すれば、やがてアカマツやシラカンバなどの樹木が育ってくるそうです。
アカマツやシラカンバ、ヤナギなどは樹木の中でパイオニア(先駆)的な存在だそうです。先ほど触れたように、周りに木が生えていない環境に、真っ先に育つ種類。ですから、これらの樹木が植樹したわけでもないのに「アカマツ林」のように、ちょっとした群生状態になっていたら、そこは次のような理由で、何年か前に樹木がなくなった可能性を示しています。
- 人がその土地一帯を利用するために(家を建てる、耕作する等)、樹木を伐採した。
- 噴火や山火事で焼き払われた。
- 土石流、土砂崩れ、雪崩、その他の自然災害に見舞われた。
もし、住まいや事業用の「いい土地がある」という情報を得て見に行ったら、アカマツが生えていた。なんてことがあったなら、その土地の歴史を調べた方が良さそうです。
あるいは、地区防災計画を策定するとか、地区独自のハザードマップを作る時に、あらかじめアカマツのようなパイオニアプランツのリストを作った上でフィールドワークに出かけると、新たな視点で地域を見直すことができるかもしれません。ちょっとしたハイキングのような気分で、フィールドワークもできますし。