火山灰への対応

今日の朝刊(毎日新聞では1面と3面、朝日新聞は社会面)に、政府の中央防災会議の作業部会が発表した、富士山が大規模噴火した時の影響について掲載されていました。

東日本大震災後には、「大きな地震の後には大きな噴火が起きやすい」と警戒もされていました。2014年の御嶽山、2015年の口永良部島や桜島などの噴火は有りました。東北地方では火山活動が活発化したことはあったものの、今のところ大きな噴火はありません。

「災害は忘れたころにやってくる」ではありませんが、今朝の富士山が噴火した時の影響予測の発表は、近くの火山が噴火した時のことを考えておくにはいい機会かもしれません。

自然災害の中で噴火については、桜島周辺など国内のいくつかの地域は防災ノウハウを蓄えているとおもいます。しかし、近くに火山があってもその麓から少し離れると、噴火への防災意識は希薄になりがちです。でも火山灰は広範囲に影響を及ぼすので、それへの備えは大切です。

例えば、私の住む仙台市に最も近い活火山は蔵王。

蔵王が噴火した時、宮城県側で言えば蔵王町や川崎町などの麓に住む住民は大きな被害を受けそうですが、仙台市はそれほどの被害はなさそうにも思えます。

ですが、蔵王の御釜から直線距離で30km近く離れた仙台市にある遺跡では、蔵王の火山灰の層が見つかっていることから考えると、安心してばかりもいられません。

火山の麓以外の地域で考えられるのは、火山灰による直接・間接の被害。

今朝の朝刊には、項目的にその被害予測が出ていましたが、健康面や上下水道、農作物への被害予想については出ていなかったようなので、その点について簡単に触れます。

この投稿の下にリンクを張った、昨日の中央防災会議の資料ではこの点についても触れていたので、御興味のある方はそちらを御覧ください。

まず、健康面への影響です。

こちらについては、独立行政法人防災科学技術研究所が翻訳した「火山灰の健康影響 ~地域住民のためのしおり 」が参考になります。(より簡単に紹介したパンフレット「火山灰から身を守ろう」は、小学校中学年以上のお子さんにもお勧めします。)

特に、呼吸器系や目への被害が心配されるようですので、ゴーグルやマスクの準備が必要です。

コンタクトレンズを使用している人は、コンタクトを外さなければならないようです。

マスクが入手できるようになったら、学校や勤務先にも常備しておくと良いかもしれません。

動物への影響も考えておかなければならないでしょう。

ペットであれば、火山灰が除去されるまでは家屋内で保護すれば良さそうです。

水道や下水道は、浄水場や汚水処理場などに火山灰が降ることによる被害が予想されます。他の災害への備えと同様に、飲料水や簡易トイレの備蓄が大切です。

次に農産物。

家庭菜園でとれる野菜くらいであれば、灰をきれいに落とせば食べられるようです。

でも、業として収穫する農作物への被害は甚大になります。

農作物そのものへの被害(傷や変色、収穫不能など)もそうですが、農地や施設設備、農業用水の復旧は相当の時間と費用がかかるでしょう。

火山灰降下などの噴火による直接的な被害の他に、火山灰が大気圏を漂うことによる気象変動、特に日照不足と低温による影響も、農業の場合は考慮すべき事柄です。

取りあえず、収入保険への加入等、経済的な対策はしておくべきかと思います。

その上で、農地や採草放牧地や施設設備の復旧、家畜のえさの確保等の手段を農場ごとに、あるいは地域ごとに備えておくべきかと思います。

農業は自然現象の影響を大きく受ける産業です。しかも、生活や経済への影響も重大!

地震や大雨などの災害同様に、噴火に対する備えもする。農業こそがBCPを策定すべき産業だと私は思います。

※中央防災会議の作業部会の公表資料はこちらから↓

中央防災会議 防災対策実行会議 大規模噴火時の 広域降灰対策検討ワーキンググループ(第4回) の資料等

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