山形県の月山の麓にある志津温泉。毎年2月下旬から「雪旅籠」というイベントがあります。
日本有数の豪雪地帯であることを活かしたイベントですが、夜、雪旅籠に灯りがともる幻想的な光景は厳しい寒さを忘れさせるひと時です。
これまで何度か冬の志津温泉に行きましたが、初めて行った時の感動は忘れることができません。
仙台から高速道路で参りましたが、段々と雪が深くなり、やがて雪の壁でできた迷路を走っているような感覚になりました。あの時は積雪5mを超えていたと記憶しております。
初体験のスノーシューでは、公園によくある東屋の屋根が足元にあったり、雪がなければ仰ぎ見ているはずの大木の枝にあるヤドリギに触れたりして、積雪5mの世界を存分に楽しんだものでした。
深く積もった月山の雪は、夏ごろまでかけてゆっくり融けます。おそらくは、その雪どけ水が山形を潤し、豊かな農産物をつくる源になっているのでしょう。
その雪が、今年は非常に少ない。
私の家から見える仙台の泉ヶ岳は、今年は濃茶のままでなかなか白くなりません。
その背後にある後白髭や三峯が白よりグレーが勝っているように見えるのは、気のせいでしょうか。
志津温泉の雪旅籠のホームページには積雪2mほどとあります。雪旅籠は規模を縮小しての開催になるかもしれません。
今日の仙台は雨です。山が雨なのか雪なのかわかりませんが、もし雨ならばわずかな雪を融かしてしまうのでしょうか。
本来であれば、山に積もった雪がゆっくりとけて、その間、私たちに水を供給してくれます。
雪が少ないということは、その天然のダムが例年より小さいということであり、今後、農業を始めとする産業や、生活用水そのものにも影響が出てくるかもしれません。
雪道は歩きづらいし、雪かきは重労働。でも、今年はもう少し降ってほしい(ただ、できれば山間部に)。
そう思うこの頃でした。