60歳からのエンディングノート4~第1章私のこと

 私の事務所が作成した「あえて『エンディングノート』と言わないノート」は、はじめに主に現在の自分自身の情報について記すページにしています。

 といっても、名前や生年月日、現住所の他に、マイナンバーカードやお薬手帳などの取得の有無や保管場所についてといった、お決まりの情報です。

 その中で、お持ちになっている鍵についても書く欄があります。

 特に、お一人で住んでいらっしゃる方は、合鍵を持っている人の名前と連絡先について記すようにしてもらいたいのです。

 例えば、一人住まいの方が突然、連絡を絶って消息不明になったような時、合鍵を持っている方に連絡をし、室内に入れるようにした方が御本人のためになるからです。

 合鍵を預けているくらいですから、御本人と関係が深いとか、信頼の厚い方のはずです。逆に合鍵も持っている人は御本人の安否とか消息に関心が強い。だからこそ、連絡を取りたいのに取れずに心配している人が、合鍵を持っている人に「〇〇さんと連絡をとりたいのだけれど、連絡がとれない」と電話ができることは、心配している人だけでなく合鍵を持っている人にも、何よりも御本人にとってもメリットがあると思います。

  と言っても、ノートにこれを書いたとしても、もしかすると意味がないかもしれません。

 にもかかわらず、あえてノートに記載欄を設けたのは、これを書く方に意識してほしかったからです。

 私が作成したノートには、こうした「ここに書いても無意味かもしれないけれど、意識してほしい事」が所々に登場します。

 そうした「ノートに書いても意味はないけど、意識してほしいこと」については、別の紙に書いて持ち歩くとか、職場の人や親しい友人などに伝えておくなど何らかの手段をとっていただきたい。そう思います。

 実際、こういう手段をとっておいたおかげで、自宅で転んで動けなくなった高齢者の命が助かった事例が、しばらく前の朝日新聞に掲載されておりました。

 ですから、1人暮らしをしている人は、「合鍵を預けている人とその連絡先」は、定期的に会う人・職場の同僚・親しい友人等に伝えておくか、分かる状態にしておきましょう。

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