60歳からのエンディングノート~第2章好きなこと・嫌いなこと

質問1

もし、食事を提供してくれる人に、「私は納豆は嫌いだから食べたくない」と伝えたいのに、上手く伝わらなかったら、あなたはどうしますか?

質問2

納豆が嫌いなのに、そのことが食事を提供してくれる人に伝わらないせいで、毎日のように納豆が提供されたら、あなたはどうしますか?

2~30年前に施設で亡くなった私の親族は、嫌いだった納豆をのどに詰まらせたことが死因だったと何年も後に知りました。

施設の方を攻める気持ちは私にはありません。

でも、人生の最後の食事が嫌いなメニューだったということが、ずいぶん気の毒に思うのです。

現在の後見人の事務や介護の現場では

本人の意思の尊重

ということが言われています。

認知症が重くなったり、薬の影響などで自分の気持ちや意思を伝えられなくなったとしても、

「もし本人が元気だったら、『・・・・』と言うはずだ」

というように、出来る限り本人の意思を想像してあげるのです。元気だったころの様々な情報から想像するように努めることも大事だと言われています。

だから私の事務所の「あえてエンディングノートと言わないノート」には、

※以下、「ノート」と記します。

第2章に「私が好きなこと、嫌いなこと」を書く欄を設けています。

ここに書くのは、食べ物に限ったことではありません。

身近に置いておいている大切な物、好きな音楽などの他に「こうしていると心が落ち着く」という項目も作りました。

私の場合、疲れたりイライラしたりするとき、とりあえず寝ます。

あるいは、目的なくひたすら歩くことも私にとってはいいようです。以前はジョギングもしましたが、現在の住まいに移ってからは、もっぱら歩くことです。

しばらく泉ヶ岳に通っていたこともありました。頂上に到達することが目的というより、ひたすら歩いていました。頂上より少し下に視界が開ける場所があるのですが、そこでボンヤリと休むのが好きでしたね。

こんな風に、記入項目に従って書いていると、いろいろな好き嫌いが浮かんできます。

そうしたことを、他の人とワイワイしゃべるのも楽しい時間になるし、そうしたことが将来あるかもしれない介護に役に立つかもしれません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です