NHK「ひとモノガタリ『僕がハグを続ける理由』」から

1月13日のNHKの「ひとモノガタリ」という番組で、韓国でフリーハグ(ただ単に相手を抱きしめる行い)をしている桑原功一さんを取り上げていました。

桑原さんは御自身の活動をSNSに投稿しているようで、特に日韓関係が厳しい中でフリーハグをしたことに大きな反響があったようです。

私はこの番組を観て、次のような感想を持ちました。

まず、このフリーハグという活動は、仏教で言う布施のようなものだと思いました。

布施というのは、相手に何かを与えることです。与えるものは金銭や食料などの物に限らず、大切な教えであったり、慰めであっても良いのだそうです。

桑原さんはフリーハグという行為を提供することによって、それに応じた方に優しい気持ちを与えたのかもしれない。そう思いました。また桑原さんを抱きしめた人は、桑原さんに喜びを与えていたのではないでしょうか。

フリーハグという行為そのものから当然のことかもしれませんが、ハグをしている時、ハグを終えて立ち去る時、皆、喜びというか幸福感というか、そういった表情を浮かべているのです。

この番組を観ての感想の二つ目は、特に対日感情が厳しい状況の中で行ったフリーハグの場面で、そこだけ平和に包まれていると感じました。

そして最後に、人って他人に対して過剰に期待を持ちすぎてしまうものなのかもしれない、とも思いました。その過剰な期待の裏返しが「裏切られた」という、その期待を寄せた相手に対する負の感情です。

これを感じたのは、桑原さんが講師として御自身の活動報告をした後の、聴衆たちの質問や感想からです。(私の記憶が確かなら、どこかの大学に桑原さんが招待されて行った報告会の場面です)

聴衆たちは「フリーハグの活動は何につながるのか」「桑原さんの次の展望」とか「ヘイトスピーチの場面に出くわした時にどう対応したらよいのかわからない」ということを質問や感想として口にするのです。

私は先に書いたように、フリーハグの瞬間に幸せな表情をみんながすることや、その場に平和な空間が出現していること、ただそれだけで十分すぎるくらいすばらしい活動であると思いました。

それを見て何かを感じた人は、「では自分はどうするか」と自分に立ち戻ればいい。自分もフリーハグをしてみるのもいいだろうし、別の何かを考案してみるのもいい。感動するだけで行動に移さなくても、私は良いと思います。

桑原さんに「これからどうするの?」と聞くのは構わない。もし桑原さんが「就職して落ち着きたい」とか「別に何もかんがえていないんだよね」と答えた時に、「失望した」とか「せっかく期待していたのに」とか言うのはちょっと違うと思うのです。

番組では、そうした人々の反応に戸惑う桑原さんを映していました。この戸惑いは、しばらく続いたようです。

そうした状況にあった桑原さんを支えたのが、韓国の友人たちであったことは、これまで桑原さんがそれまでしてきたことの意味を考える上で重要なポイントかもしれません。

国籍、民族、性別、年齢、収入、地位、職業の違いに関わらず、人と人との関わり方について、平和ということについて考える機会になった番組でした。

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